ブランディングメール 2023年9月 | 株式会社クエストリー | 小さくても光り輝くブランドになる 

ブランディングメール 2023年9月

1日 4367【サードプレイスとしてのコミュニティ】
今日から9月、夏の暑さがまだ残っていますが、体調を整えて機嫌よく過ごしましょう。今月のテーマは「サードプレイスとしてのコミュニティ」。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これからの経営に求められている概念です。いっしょに考え、学びましょう。
2日 4368【つながりの希薄化】
落ち着いた感がある新型コロナウイルス感染症ですが、人流が戻るにつれ、感染者も増えています。コロナ禍で大打撃を受けたのは経済ですが、同時に人と人とのつながりも弱くなりました。リモートワークなどの新しい生活スタイルのなかで孤独感に襲われる人が少なくありません。
3日 4369【自分の居場所がない】
孤独感や孤立感の強い時代です。「自分の居場所がない」という声がそれを象徴しています。これは高齢者、子育て中の母親、さらには子供たちに顕著に表れています。自宅、職場、学校、地域の団体でもない「第3のコミュニティ」としての「サードプレイス」が求められています。
4日 4370【村落共同体】
「コミュニティ」を訳すと、「地域社会」あるいは「共同体」のことを指します。戦前までは「村落共同体」の相互扶助が機能していました。農業が主体の共同体であれば、田植えや稲刈りは村の人たちの力を借りるのが当たり前だったのです。僕(櫻田)の子供の頃は一種のイベントでした。
5日 4371【企業共同体】
「コミュニティ=地域社会・共同体」の話の続きです。戦後は、村落共同体の担い手は、地域から切り離されて、経済の成長と拡大のための「企業共同体」の担い手に変わりました。それを支える基盤は終身雇用でした。ところが、コロナ以前から企業共同体は綻びを露呈し始めています。
6日 4372【孤独感の強い社会】
相互扶助の基盤であった村落共同体のつながりは現在ではほぼ失われました。企業共同体も優先順位が経済活動になることで、共同体としての人と人との助け合いは困難になってきています。これに追い討ちをかけたのがコロナです。多くの人が孤独感や孤立感に襲われています。
7日 4373【支え、支えられる関係】
いまの社会は人と人とのつながりが疎遠です。とくに都市部では近隣住民の顔や名前を知らないのが普通です。ネット上のコミュニティは活発であっても、何かあったときに支え、支えられる関係ではありません。しかし、それを何とかして解消しようという動きが増えています。
8日 4374【求められるサードプレイスとしてのコミュニティ】
これからの小売業に求められるのは、支え、支えられる関係の「サードプレイスとしてのコミュニティ」です。企業の在り方においても同様です。明日から最初に「サードプレイス」の概念を提唱した社会学者のレイ・オルデンバーグの考えを紹介します。
9日 4375【レイ・オルデンバーグ】
「サードプレイス」は、レイ・オルデンバーグが1989年に発表したアメリカ社会の観察から生まれた考えです。当時のアメリカは自動車依存型の都市社会でした。人々の生活は、家庭(第1の場所)と職場(第2の場所)の往復でした。これは日本も同じですね。
10日 4376【潤滑油の役割】
家庭(第1の場所)と職場(第2の場所)の往復はストレスの強いアメリカ社会をつくり出しました。レイ・オルデンバーグは、このストレス社会を生き抜くにはどうしたらいいのかと考えたのです。たどり着いたのは、潤滑油の役割を果たす「サードプレイス(第3の場所)」の存在でした。
11日 4377【サードプレイスの8つの特徴】
レイ・オルデンバーグは「サードプレイス(第3の場所)」の特徴として次の8つを挙げています。それは「①中立性」「②社会的平等性の担保」「③会話が中心に存在する」「④利便性がある」「⑤常連の存在」「⑥目立たない」「⑦遊び心がある」「⑧第二の我が家」です。
12日 4378【自分の居場所を主張する場所】
レイ・オルデンバーグは「サードプレイス(第3の場所)」の特徴が含まれる場所として、パブ、カフェ、教会などを挙げています。「人が週に数回は足しげく通い、リラックスして、社会的な絆を維持し、文化における自分の居場所を主張する場所」と述べています。
13日 4379【地域の交流の場】
レイ・オルデンバーグが提唱した「サードプレイス(第3の場所)」は何を生み出すのでしょうか。それはイギリスのパブやフランスのカフェのような「居心地の良い地域の交流の場」です。しかし、それらは日本人にとっては地域の交流の場ではなく、一人や少人数でくつろぐ場です。
14日 4380【サードプレイスを持ちにくい日本】
日本人は文化や習慣の違いから「サードプレイス」を持ちにくいといわれます。サードプレイスの代表事例である1996年に日本で開業した「スターバックスコーヒー」は、若年層からはすぐに支持を得ましたが、中高年層に受け入れられるまでには時間がかかりました。
15日 4381【一人時間を楽しむ第3の場所】
「サードプレイス」の事例として取り上げられる「スターバックス」は、日本では欧米のような「地域の交流の場」としての立ち位置は定着しませんでした。そこで、スターバックスは「一人時間を楽しむ第3の場所」としての店づくりに取り組んだのです。
16日 4382【誰のための場所なのか?】
これからの店や商業施設に求められるものは何でしょうか。それは「地域のコミュニティの核になるとびきり居心地のよい場所づくり」です。しかし、万人にとって居心地がよいことを目指すのは難しい。居心地のよさのためには、誰のための場所なのかを定める必要があります。
17日 4383【実現するための鍵】
店や商業施設に求められる「地域のコミュニティの核になるとびきり居心地のよい場所づくり」、実現の鍵はどこにあるのでしょうか。それはレイ・オルデンバーグの「サードプレイス」の8つの特徴にあります。明日から順番にその意味するところを解釈してみましょう。
18日 4384【自分らしくいられる場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「①中立性」とは、「立場や肩書に縛られず、自分らしくいられる場所」のことです。家庭には親子や兄弟の関係があり、職場や学校には上司と部下、先輩と後輩などの関係があります。しかし、サードプレイスはそれらとは無縁の場所です。
19日 4385【応援したくなる場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「②社会的平等性の担保」とは、「困っている人や悩んでいる人を応援したくなる」のことを指します。日本の人間関係は世間の評価を気にします。これが行き過ぎると窮屈な世の中になります。サードプレイスは世間の評価とは無縁の場所です。
20日 4386【ニコニコと笑っている場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「③会話が中心に存在する」とは、「みんなが楽しく会話し、ニコニコと笑っている」ことを指します。事例として挙げられるパブやカフェはこの特徴が如実に現れた場所です。そこには一人でいても居心地のいい空気が流れています。
21日 4387【誰にでも開かれている場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「④利便性がある」とは、「誰にでも開かれており、誰でもゆっくりできる」ことを指します。満足度を高めるために特定の人だけを対象とした場所も存在しますが、来る人を拒まない場所であるのがサードプレイスの特徴です。
22日 4388【安心感がある場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「⑤常連の存在」とは、「一人で出かけても誰かといっしょのような安心感がある」ことを指します。サードプレイスには熱心なファンが存在しますが、初めての人であっても受け入れます。一度仲間になると、常連のような心地よさを感じます。
23日 4389【何をしても許される場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「⑥目立たない」とは、「人に迷惑をかけなければ、何をしても許される」ことを指します。人と異なっていても奇異な目で見られることはありません。違うことが普通であり、特別な存在として目立つことはありません。
24日 4390【気持ちが上向きになれる場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「⑦遊び心がある」とは、「そこに行くと気持ちが少しだけ上向きになる」ことを指します。気持ちを上向きにさせてくれる要素はワクワクするような「遊び心」です。これはサードプレイスに欠かすことができない大事な要素です。
25日 4391【リラックスできる場所】
「サードプレイス」の8つの特徴の「⑧第二の我が家」とは、解釈不要な気がしますが、「あたたかい雰囲気があり、リラックスできる」ことを指します。肩肘はることなく、自分らしくいられるのが第二の我が家の条件です。そこに流れているのはあたたかな雰囲気です。
26日 4392【支援し合う関係を実践できる人材と組織】
これからの店や商業施設に求められる「地域のコミュニティの核になるとびきり居心地のよい場所づくり」。実現に必要な3つのポイントを説明します。一つ目は「利用し合う関係ではなく、支援し合う関係を実践できる人材と組織」です。これは基本中の基本です。
27日 4393【「ミッション=在り方」に基づく連携】
これからの店や商業施設に求められる「地域のコミュニティの核になるとびきり居心地のよい場所づくり」。その実現に必要な二つ目は「損得や利益に基づく連携ではなく、『ミッション=在り方』に基づく緩やかな人や企業との連携」です。
28日 4394【収益を生み出す仕組み】
これからの店や商業施設に求められる「地域のコミュニティの核になるとびきり居心地のよい場所づくり」。その実現に必要な三つ目は、「収益を生み出す仕組み」です。人が集まる場所に、選び抜いた商品、暮らしを感じる売場、対話のある接客があれば、収益は自ずと生まれます。
29日 4395【自ら足を運んで体感する】
これからの店や商業施設に求められる「地域のコミュニティの核になるとびきり居心地のよい場所づくり」。これを体感しましょう。どこにするかは自分自身のアンテナ次第。絶対的な正解などありません。数を重ねることです。そのためにはいい意味での遊びが求められています。
30日 4396【体験や学びを増やしていこう】
今月は「サードプレイス」をキーワードに、これからの店や商業施設に求められる「地域のコミュニティの核になるとびきり居心地のよい場所づくり」を説明しました。理解しにくい点があるかもしれませんが、まずはサードプレイスの体験や学びを増やしていきましょう。