ブランディング事例 -有限会社 蒲原水産- | 株式会社クエストリー | 小さくても光り輝くブランドになる 

CASE 02 ミッション確立プロジェクト ブランドデザインプロジェクト

8万回の「いただきます」を
もっと価値あるものに

有限会社 蒲原水産(北海道白老町)
代表取締役 蒲原亮平さん

水産加工品の製造・卸・小売り

蒲原水産ホームページ

https://www.kojyohama-tarako.co.jp/

事業コンセプトは「8万回のいただきますをもっと価値あるものに」

太平洋に面した人口約1300人の小さな地区である北海道白老町虎杖浜は、北海道を代表する地域ブランド「虎杖浜たらこ」の産地として知られています。私が代表を務める有限会社蒲原水産もこの地区にあります。

蒲原水産は、私の祖父が創業し、当初は塩作りや海産物の行商で生計を立てていました。その後、2代目の父がタラコやタラの切り身などの製造卸を始め、86年に自社工場を建て、タラコが主力商品になってきました。

家業を継ぐつもりはなく、東京の大手企業から内定をいただいておりました。本家の我が家には年に何度か親戚一同が集まるのですが、あるとき3人姉弟の末っ子長男の私が家業を継がないとこの集まりも消えると思ったのです。

社長就任後に売上比率を卸から直販へ移していく

そんな思いから大手企業への就職を断り、大学卒業後、函館の水産加工会社で2年間の修業を行い、2010年に入社しました。その後すぐに直面した理不尽な状況が、現在の製造を軸に、小売販売にも力を注ぐきっかけとなりました。

当時、同社のタラコの卸価格は、原材料1キロあたり1000円に加工経費と利益を足して市場に出すことを見込んでいましたが、市場の取引相場は1キロ800円程度で買いたたかれる状況だったのです。

2014年に社長になった頃から、売上比率を市場への卸から、販売店や通信販売を通じた直接販売を伸ばしていく方向に舵を切りました。2017年には工場の向かいに直営の販売店をオープンさせました。

「蒲原水産が存在する理由は何か?」という質問

2017年に白老町役場が開催した「ブランド実践塾」でクエストリーの櫻田社長の講演を聞きました。2018年には白老町で開催されたクエストリー主催の「ブランドミーティング(5回コース)」に同じ町の仲間と参加しました。

2018年にブランディングクラブにも入会し、全国の中小企業の経営者と交流を深めるうちに、自社のブランディングを真剣に考えるようになりました。しかし、何から手をつけたら良いのかがわからず、空回り状態でした。

あるとき櫻田社長から「蒲原水産が存在する理由は何か?」を問われ、経営の上位概念であるミッションの確立が重要だと気づきました。自分なりにぼんやりとしたものは見えていましたが、それを文言化できていなかったのです。

コンセプトと世界観の基軸を確立したプロジェクト

そこでクエストリーさんにブランディングの個別プロジェクトをお願いし、半年間をかけてミーティングを行い、「8万回のいただきますをもっと価値あるものに」という事業コンセプトと自社の世界観の基軸を確立しました。

人は一生のうちに約8万回の食事をするといわれます。日々の食卓を少し豊かにできるように、「タラコに限らず自分の目にかなった食材の特性を活かした加工品にして提案する」………そんな思いが込められたコンセプトです。

クエストリーさんとのお付き合いを通じて、クラブ会員をはじめ、さまざまな経営者をご紹介いただき、直接お会いさせていただきました。多くの出会いが、会社と同時に自分自身の在り方を見つめる良い機会となっています。