クエストリーからのメッセージ | 株式会社クエストリー | 小さくても光り輝くブランドになる 


小さな会社には
小さな会社のブランディングがあります

書店を訪れるとブランディングの書籍が多数並んでいます。それぞれの立ち位置でブランディングを解説していますが、若干の違和感を覚えます。ここに書かれている内容は小さな会社にも通用するのか………これが違和感の正体です。

小さな会社の経営資源は限られています。生産や販売や財務を優先し、ブランディングに予算や人材や時間を費やすことができません。また、ブランディングについての認識が弱く、狭い解釈に留まっている経営者が多いのも事実です。

私たちは一貫して小さな会社のブランディングに取り組んできました。そこで得たのは、大手企業のようなブランディングを、中小企業が取り組んでも効果は見込めないことです。小さな会社には小さな会社のブランディングがあります。

小さいことは弱いこと、悪いことではありません。無名の小さい会社だからと、商品やサービスを正当に評価しない企業や消費者、そのことを嘆きながら仕方ないと受け入れている経営者……これらに接するたびに憤りを感じるのです。

「ユニークな人材」、「フラットな組織」、「スピーディな意思決定」、「フレキシブルな修正力」、この4つが小さな会社の底力です。小さな会社のブランディングはこれらのパワーを最大限に活かすことから始まります。

毎月オンラインで開催している「BRAND de NIGHT」(参加料無料)では小さな会社のブランディングを具体的に学ぶことができます。

代表取締役櫻田 弘文

小さな会社のブランディングの優先順位とは何でしょうか?

ブランドとは「幸せの記憶のスタンプ」、ブランディングとは「そのスタンプを押し続けてもらう活動」です。ブランドは記憶の中に生まれるものであり、ブランドにするではなく、「ブランドになる」、これが私たちの定義です。 小さな会社のブランディングには、インナー(社内)とアウター(社外)の二つの取り組みがあります。ブランド価値の発信と共有という点では、この二つは密接につながっています。大事なのは優先順位です。 「小さな会社のブランディングはインナーから」というのが私たちの考えです。なぜならば、大手企業にとっては外向けのマーケティングの一つですが、小さな会社にとっては経営そのものがブランディングだからです。

ブランディングで売上、利益が伸びるのでしょうか?

「ブランディングで売上、利益が伸びるのか?」、こんな質問を何度もいただきました。当然のことです。ご質問に対して、私たちは二つの問いかけをお戻しさせていただきます。一つは、「売上や利益の源泉は何でしょうか?」です。 私たちの考えは「人材」です。ブランディングに取り組む小さな会社の特徴は、選ばれる存在になるための意思決定力が早いこと、そして社員一人ひとりが当事者意識を持っていることです。この掛け合わせから働く喜びが生まれます。 反面、仕事を会社ごと、他人ごとととらえている人材は喜びを感じません。特定の人たちの力で牽引しても限りがあり、余裕がなくなると、他社の成功事例を模倣することになります。結果的には、同質化競争に巻き込まれざるを得ません。

人は何を基準にして選ぶのでしょうか?

もう一つの問いかけは、消費が成熟したいま、「人は何を基準にして選ぶのでしょうか?」。私たちの答えはミッションです。経営の社会における在り方が問われ、ミッションそのものがコミュニケーションのメッセージとなる時代です。 虫眼鏡で太陽の光を集めると、そこには熱が生まれ、火がついていきます。ミッションにもこれと同じ力があります。意識高揚のスローガンでもキャッチフレーズでもなく、現場の小さな行動につながっているのがミッションです。 私たちは、社員がミッションを理解し、具現化する取り組みを通じて、自社のファンになった企業をたくさん見てきました。その過程では、会社を良くするためのさまざまな工夫やアイディアが生まれ、売上や利益は向上していったのです。

最終的にブランディングで何が実現できるのでしょうか?

ブランディングは売れ続ける仕組みですが、さまざまな効果が挙げられます。不毛な価格競争の回避、広告や販促費の軽減、顧客満足度の高まり、人材の採用と定着、取引条件の優位性……ただし、これらは過程の道標に過ぎません。 ブランディングは経済的な裏付けになりますが、もっと重要なことを生み出します。それはブランディングを通じて、一人ひとりの価値を引き出すこと、誰かの幸せに関われる喜びを得ること、結果として社会に貢献できることです。 ここまで、私たちの考える小さな会社のブランディングについて述べてきました。その法則自体はシンプルで、誰でも理解でき、すぐに実践できます。問われるのは、いつかやろうではなく、「いまからやろう」とする経営者の勇気です。