プロジェクトストーリー | 株式会社クエストリー | 小さくても光り輝くブランドになる 


PROJECT STORY
プロジェクトストーリー

プロジェクトストーリーでは

プロジェクトの取り組み事例を
対談形式でご紹介します。

  • [プロジェクト名]

    「社員の成長を支援するプロジェクト」

    一人ひとりが幸せになるための仕組みづくりを目指して

    増山隆さん(株式会社米三 常務取締役)

2021年8月にプロジェクトが始まりました

プロジェクトの発端は、内容の組み立てが中座していた給与体系の確立でした。しかし、給与体系以前に、社員の評価制度が不明確であることや、どんな人たちとともに働きたい会社なのかなど、経営で最も重要な「人に対する仕組み」の部分が曖昧な状態でした。

そこで、株式会社米三の取締役4名と人事総務部、そして株式会社クエストリーがタッグを組み、「社員の成長を支援する仕組み」を確立するプロジェクトを2021年8月に立ち上げ、ほぼ月2回のミーティングを重ねてきました。

何度も話し合いを行い、出来上がった仕組みは大きく次の5つのステップに分かれています。それぞれのステップは「社員を管理するのではなく、成長を支援する」ことを軸とし、具体的に取り組める内容となっています。

プロジェクトの中心メンバーの増山隆さん(常務取締役)に、プロジェクトを通じて出来上がった「成長支援の仕組み」が、社内にどんな反応を引き起こしているのかを語っていただきました。

5つのステップで構成されている
成長支援の仕組み

以下 M = 増山隆さん S = クエストリー 櫻田

S

成長支援の仕組みは5つのステップで構成されていますが、一つひとつポイントを教えていただけますか?

M

長い時間をかけて組み立ててきたものなので、シンプルに説明するのが難しいのですが、各ステップの目的を簡単に説明します。最初のステップは「①求める人材」、これを設定するところから始まりました。なぜ、求める人材像を設定しかたかは後ほど説明します。

S

続いて、「②成長支援マスター」というステップがありますが、これはどういうことでしょうか。

M

求める人材像の在り方はある意味では概念です。それを具体化しようと、一般社員は5つ、管理職は6つの力に整理し、それぞれの定義を定めました。それをよりわかりやすくするために、要素と、項目に分解しました。これはマニュアルやルールではなく、社員の成長の指針となるガイダンスのようなものです。結果的に、これが成長支援の評価基準へつながるようにもなりました。

S

3つ目のステップは「③成長支援ミーティング」ですね。

M

社員の成長を支援するために、「A目標・B目標・C目標」の3つを定め、それぞれを「成果目標・行動目標・行動計画」の3つに分けています。目標を達成したい気持ちがあっても、具体的な行動を起こさなければ実現できません。そのため行動計画はとくに重視しています(下記の図参照)。

S

成長支援ミーティングは、何のために、誰が、誰と行うのですか?

M

成長支援ミーティングでは、上司と部下が1対1で膝を突き合わせ、A目標・B目標・C目標に対して、成果目標・行動目標・行動計画を3カ月単位で組み立てます。人によって内容にばらつきがあり、この精度を高めることが課題です。

S

次の段階の「④ポジティブフィードバックは聞きなれない言葉ですが、どういう意味があるのでしょうか?

M

簡単にいうと、上司や周りからの応援やアドバイスのことです。人の気持ちは楽の方に流れると、手を抜きたくなります。あるいは、実行がうまくいかないと悩んでしまいます。その際にさまざまな方法でフォードバックをする仕組みを作りました。こちらもまだ実践にばらつきがあります。

S

そして、「⑤成長支援評価制度」ですね。

M

人が人を評価するのはとても難しいことです。しかし、評価が伴わなければ、公平ではありません。成長支援評価は四半期毎に行い、それに基づき年間の成長支援評価を行います。四半期毎の結果があるので、直近の印象や成果だけでなく、事実に基づき、公平な評価ができる仕組みです。弊社には年間の成長支援評価と業績評価の二つがあり、それを組み合わせて総合評価とします。これが昇給や昇給につながります。

仕事を他人事に考える人、
言われたことしかしない人

S

成長支援の仕組みを説明していただきましたが、成長支援のプロジェクトに取り組まれて、良かったと思っている点をお聞かせいただけますか? その背景も教えてください。

M

このプロジェクトに取り組んで、本当に良かったと感じています。僕は2015年に3000坪の売り場面積を有する弊社の基幹店舗「ファニチャーパークケースリー」の総責任者になりました。その時もいろいろな方から、「家具の専門店の在り方をどう思うのか?」「消費の価値観の変化にどうやって対応していくのか?」みたいな話をたくさん聞かされてきました。

S

本質的な問いかけですね。

M

それらを真剣に考えるきっかけになったのは、2016年に大きな店舗リニューアルをした時です。僕が携わってきたリニューアルの中では一番大きなものでした。リニューアルは新しいものを生み出す力がすごく求められます。ところが、リニューアルを実行するプロセスで、いっしょに考えてくれる人間が社内に少ないことに気づいたのです。どうしてみんな無関心なのと思いました。当時はチーム力も弱かったですね。

S

仕事を他人事で考える社員や言われたことしかしない人が多いと言っていましたね。

M

その頃に櫻田さんとも話したことですが、会社の経営資源は人・モノ・金・情報と言われる中で「やっぱ人だな」思いました。大久保恒夫さんが書かれた『すべては人なんだ』という本を櫻田さんから教えていただいて、読んだのもその頃です。

S

無関心には何か業界の特性のようなものがあるのでしょうか?

M

僕らの業界は、商品があれば売れる時代が長く続きました。品揃えさえしっかりしていれば、人が来て、買ってくれた時代だったわけです。リニューアルをしたのはそれが通用しなくなった頃です。

S

需要が旺盛だった成長期の名残があった頃かもしれませね。

M

「ウチの会社ってこんなに考える人が少なかったのだろうか」と正直悩みました。上手くいっている時には、それほど大きな課題ではなかったのですが、いざそうじゃなくなった時に、何に手をつけたらいいのかを考えた時に、やっぱり人だろうなと思いました。

ヤッホーブルーイングの井手社長の講演がきっかけ

M

櫻田さんに素晴らしい会社を紹介してもらったり、いろんなところに行ったりもしました。その度に当たり前のことですが、挨拶もちゃんとしている、チームワークもいい、現場からいろんなアイディアが生まれている、そういう会社を目の当たりすると、本当にひたすら羨ましかったですね。

S

どの会社が印象に残っていますか?

M

うちの会社も何としても変わろうと思った大きなきっかけは、クエストリーさんのセミナーでヤッホーブルーイングの社長の井手直行さんの講演を聞いた時です。

S

2016年のセミナーですね。その頃のヤッホーブルーイングさんの社員数は140名前後だと思います。それでも、社員とチームの力が半端じゃなかったですね。

S

人の悩みは多くの経営者が抱えていますが、どんなアプローチから始まったのですか?

M

自分の中で、「こんな人たちといっしょに働きたい」という思いが強くなってきました。「どうせ仕事するのだったら、同じことを考え、同じ言葉を共有し、同じマインドを持った人とやりたい」と思ったのです。しかし、当時は言語化されていませんでしたし、仕組みもありませんでした。これが社員の成長を支援することを考える大きなきっかけになりました。

求める人材像は「コンパスを持って地図を描ける人」

S

悩みから一歩前に進もうという感じを受けました。

M

そんな思いを櫻田さんが受け止めてくれて、2021年に成長支援のプロジェクトが始まったのですが、本当にやって良かったです。初めて4年ほど経ちますが、まだまだ課題は多いのが現実です。それでもやっていなかったらと考えるとすごく恐ろしくなります。

S

人の成長は促成栽培のようにはいきませんからね。

M

こんな人たちといっしょに働きたということを明確にし、その人たちが成長し、みんなが幸せになる。これを誰かがやらなきゃ会社は壊れると思いました。

S

商品がなければ何とかしなきゃいけない、店舗が老朽化していればと何とかしなきゃいけない、そういうリアリティのある痛みはすぐに着手しますが、とりあえず働いてくれる人がいる時には、ヒリヒリするような直接的な痛みを感じません。だから、なかなか人の問題には手をつけにくいですね。

M

まず、取り組んだのは、米三の「求める人材像」です。それを「コンパスを持って地図を描ける人」と明文化しました。それは問題を見つけられる人だと思うのです。

S

確かにそうですね。

M

「この地図ではこっちだけど、なんだかやばいそうだ」という人と、「地図があるのだから、地図通りやればいいじゃん」という人がいます。でも地図は日々劣化していくわけですから、自ら書き換えていく必要があります。これは不確実性の高い時代にはすごく重要なことだと思っています。

S

今の世の中の情勢は、昨日と今日の色合いが全然違いますからね。

自分を変えて、みんなの幸せのために何とかしたい

S

会社に来て、言われた仕事やって、1日終わって帰り、それが1ヶ月経つとお給料が入ってくる、そんな風に自分の成長を意識しないで働いている人たちが、圧倒的に多いと思うのです。しかし、仕事はお金を得るだけでなく、自分を成長させる場が会社だと思うのです。

M

何となく働いている人やお金のためだけに仕事をする人もいましたが、業績が右肩上がりの時にはそれほど気にはなりませんでした。しかし、今はそうはいきません。お客様と接する人すべてが米三を代表する人であり、顧客満足を最大化することができます。

S

自分を変えていきたいとか、みんなの幸せのために何とかしたい、そういう思いを持っている人と、ただ仕事やって給料さえもらえばいいと思っている人では、圧倒的な差がついてきます。

M

例えば、今年の4月に中途で入った人がいるのですが、商品のことがわからないので、時間のある時に自分で調べています。

S

誰かに言われてではなく、自らやっているのですね。

M

そうです。成長支援ミーティングの時に、最近よく商品の勉強をしているね。次はインプットしたものをアウトプットする場を作ってみたらどうだろう。例えば月に1回、自分が勉強したことをチームメイトと共有するとか。そんな風に応援することができます。

仕事的にも人間的にも成長している人を増やしたい

S

これからの取り組みを教えてください。

M

まだまだ課題はありますが、『一人ひとりの成長の総和が会社の成長につながり、一人ひとりの成果の総和が会社の成果につながる』という今後の発展に不可欠で大切にしていきたい考えのもと、やっと社員の成長を支援する仕組みが出来上がり、社内に導入しました。次は階段を一つひとつ登っていくことだと思っています。脳みそを目一杯使い、地道に足を動かし、わずか数センチずつでも構わないので目の前にある成長につながる階段を確実に上がっていきたいです。 2、6、2の法則があるように、この仕組みを活用し、仕事的にも人間的にも成長している人を、まず2割生み出そうと思っています。

S

やってよかったと思ってくれている人たちが、社内に生まれているように感じられます。

M

女性や若手にそう感じている人が多いですね。人それぞれに性格があり、仕事に対する考え方も異なります。柔軟に考える人は成長支援を自分のものにしますが、年齢は関係なく固まってしまっている人はなかなか取り入れません。

S

言われたことをただやっていくっていうタイプと、自ら問題を見つけ出せる力を持っているタイプでは成長の度合いがまったく違います。しかも、それを上司や部署や会社が応援しているのが、米三さんの成長支援の仕組みの素晴らしいところだと思います。

M

一気には実現できませんが、しばらくしたら会社の中に成長支援が溢れてくると思っています。実際に、成長支援を活用していろんなことにチャレンジし始めている人がいます。そんな人が増えれば、少々の変化なんか問題になりません。変化を受け止め、すぐに改革や改善をしていくことができます。それを信じて、成長支援の仕組みを社内に根付かせていきます。

S

これからも一つひとつ着実に進めましょう。クエストリーも全力で応援していきます。今日はありがとうございました。