小さな会社のためのブランディングの基本100 THEORY
顧客心理の背景にある行動の理由を探る
ある病院の院長が病気になり、自分の病院に入院しました。そしてわかったことは、ベッドの高さ、早い食事時間など、病院の都合で運営されていることが数多くあるということでした。病院の改革は「患者起点」から始まったのです。
ただし、お客さまの要望や期待のすべてが正しいわけではありません。ある老人医療の病院では、軽度の患者は日常と同じように過ごすことが回復へつながると考え、患者が嫌がっても、毎朝部屋着に着替えるように指導しています。
会社のなかにいるだけは、答えは見つかりません。目指すべきお客さまがいるところに足を運び、その行動を観察しましょう。「なぜそのような行動を取るのか」を問いかけることで、顧客心理の奥にある行動理由が見つかります。
目指すべきお客さまのすべてを理解することは不可能ですが、可能な限り調べ、お客さまの立場に立って、さまざまな試みを行う必要があります。これを繰り返し、経験を積み上げていくことで、やがてブランディングの方向性が見えてきます