ブランディングメール 2025年6月 | 株式会社クエストリー | 小さくても光り輝くブランドになる 

ブランディングメール 2025年6月

1日 5007【新規事業の立ち上げの必要性】
今日から6月、社会は混沌とし、不確実性は高まる一方です。そんな中で、既存事業の深掘りと同時に新規事業の立ち上げが必要になってきています。しかし、簡単なことではありません。今月は中小企業が新規事業を立ち上げ、成功するためのポイントについて考えてみます。
2日 5008【持続的な収益性の維持】
中小企業が新規事業を立ち上げる目的は何でしょうか。一つは、既存事業が今後も安定的に推移するという保証がないいま、既存事業に依存することは危険だからです。新たな収益源を確保することで、既存事業が衰退したとしても、しばらくは持続的な収益性を維持することです。
3日 5009【リスクの分散】
中小企業が新規事業を立ち上げる目的の一つはリスク分散です。単一事業への依存度が強すぎると経済や市場の変動によって、大きなダメージを受けることがあります。一方、複数の事業を展開することで、リスクを分散できます。これは業績が安定しているときにこそ、取り組む課題です。
4日 5010【組織の活性化と人材育成】
中小企業が新規事業を立ち上げる目的の一つは、社員に新たな挑戦の機会を提供することです。また、社員が新規事業へ参画することで、実践的なスキルを磨く場にもなり、新たなキャリアの可能性を提供出来ます。結果的には、組織全体の活気を高める効果が期待できます。
5日 5011【将来的な安定成長】
中小企業が新規事業を立ち上げる目的の一つは、既存事業の衰退リスクに備え、将来的な安定成長を目指すためです。継続的に成長する事業はほぼありません。山あり谷ありの中で、新規事業や業態転換を成功させることは、企業の存続と発展を支える重要な手段となります。
6日 5012【新規事業の目的の明確化】
新規事業の立ち上げには、「何のために行うのか」という目的の明確化が不可欠です。目的が曖昧のままだと、方向性がぶれ、リソースの無駄遣いにつながります。一方、目的を明確にすることで、重点的に取り組むべき課題が明確になり、効率的なリソース配分が可能になります。
7日 5013【市場ニーズの徹底調査】
新規事業の成功には、顧客のニーズや市場の動向を深く理解することが欠かせません。市場調査が不十分だと、需要のない製品やサービスを提供してしまう可能性があります。潜在的なニーズまで探ることで、競争力のあるビジネスモデルを構築し、成功率を高めることができます。
8日 5014【リソースの最適化】
中小企業は資金や人材や情報などのリソースが限られています。そのため新規事業は、既存のリソースを活用しながら、効率的に進めていく必要があります。リスクを抑え、小規模から始め、顧客の反応を見ながら、段階的に事業を展開していくことで、成功の可能性が見えてきます。
9日 5015【人材育成と外部リソースの活用】
新規事業には専門的な知識やスキルを持つ人材が必要です。しかし、中小企業では、人材不足が足枷となることが少なくありません。リソース不足を補うために、外部コンサルタントやオープンイノベーションを活用することで、事業の成功確率を向上させることができます。
10日 5016【既存事業とのシナジー効果】
既存事業の強みを活かし、新規事業との相乗効果を生み出すことが成功のポイントです。既存の顧客基盤や現在の技術を活用することで、効率的に新規事業を展開できます。反面、既存事業の強みが活かせない分野への安易な進出は、失敗のリスクが高くなります。
11日 5017【既存顧客が求めているもの】
顧客を限定することで、新規事業の可能性が開けます。既存顧客に現在提供しているもの以外に、顧客が求めているものはありませんか。大きくとらえると見つかりませんが、小さな単位ならば発見できるかもしれません。そこに強い競合がいなければ、新規事業のチャンスです。
12日 5018【経営者の積極的な関与】
経営者が新規事業に積極的に関与し、リーダーシップを発揮することが成功の鍵となります。経営者が意思決定を行い、責任を持つことで、事業の方向性が明確になり、チーム力が高まります。経営者の熱意は、社員のモチベーションを高め、組織全体での取り組みを促します。
13日 5019【撤退基準の設定】
新規事業は必ずしも成功するとは限りません。事前にリスクを予測し、適切な管理を行うことが重要です。また、失敗した場合の撤退基準を明確にしておくことが重要です。リスクを最小限に抑え、失敗時の損失を軽減することで、既存事業への影響を少なくすることができます。
14日 5020 【既存事業の拡張】
新規事業の定石は、強い既存事業に拡張性をもたらすことです。例えば、顧客を共有できる事業、商品の連動が図れる分野、既存事業への新たなサービスの付加などが考えられます。この展開の良いところは、小さな単位で試すことができ、リスクを分散できることです。ぜひ、お試しを。
15日 5021【他社の成功事例を参考にする】
他社の成功事例を学び、自社に応用することで、新規事業の成功の可能性を高めることができます。これから取り組もうとしている新規事業に類似する分野を中心に研究しましょう。同業種の事例よりも、異業種からの学びの方が得るものが大きいと言えます。
16日 5022【アンゾフの成長マトリックス】
経営学者のアンゾフは、企業成長のシナリオを「製品」と「市場(顧客)」の2軸に置き、さらに「既存」と「新規」に分けたマトリックスで説明しました。マトリックスの4つの象限は「①市場への浸透」「②新市場の開拓」「③新製品の開発」「④多角化」で構成されます。
17日 5023【成長の4つのシナリオ】
アンゾフの「成長マトリックス」の続きです。アンゾフの提示する成長のシナリオは、「①市場浸透戦略(既存製品×既存市場)」「②新市場開拓戦略(既存製品×新規市場)」「③新製品開発戦略(新規製品×既存市場)」「④多角化戦略(新規製品×新規市場)」の4つです。
18日 5024【市場浸透透戦略】
アンゾフの「①市場浸透透戦略(既存製品×既存市場)」は、既存の製品の価値を変換し、既存の市場での成長を狙う考え方です。リスクを最小限に抑えながら展開できます。具体的には、同じ顧客の購入欲求を変化させることで、購入頻度を向上させ、販売量を増やすことを実行します。
19日 5025【新市場開拓戦略】
アンゾフの新市場開拓戦略(既存製品×新規市場)は、既存の製品を新しい市場に販売して成長を狙う考え方です。これまでアプローチしなかった新規のエリアや客などを対象に市場を開拓します。新市場の見極めには、専門的な調査や分析が必要なため、リスクが高くなります。
20日 5026【新製品開発戦略】
アンゾフの新製品開発戦略(新規製品×既存市場)は、既存の市場に新しい製品を展開して成長を狙う考え方です。既存市場のニーズを汲み取り、新たな価値を提供することが求められます。研究開発や製造設備などへの投資が必要になることも多いため、ハイリスクであることが特徴です。
21日 5027【多角化戦略】
多角化戦略(新規製品×新規市場)は、新製品を新市場に展開して成長を狙う考え方です。既存事業の衰退によるリスクの分散には効果的ですが、市場も製品も新たに構築するため、4つのシナリオの中でもっともリスクが高いといえます。ベンチャー企業の戦略のほとんどはこの多角化です。
22日 5028【多角化戦略の4つの分類】
アンゾフの成長マトリックスでは、第4象限の「多角化戦略(新規製品×新規市場)」をさらに次の4つに分類しています。「①水平型多角化」「②垂直型多角化」「③集中型多角化」「④集成型多角化」の4つです。どれを選択するかは、自社の置かれた状況によって異なります。
23日 5029【水平型多角化】
「水平型多角化」は、すでに持っている強みを活用し、既存の顧客に近い客層に商品やサービスを提供していく多角化です。これまで培ってきた技術やすでにある設備などを活かせるため、比較的低リスクで実行できます。家具・インテリア店がカフェを始めるケースがこれに当たります。
24日 5030【垂直型多角化】
「垂直型多角化」は、既存の顧客や取引先、あるいはそれらに似た市場に、新製品や新サービスを投入する多角化です。「水平型多角化」と比較すると、新設備への投資や新たなノウハウが必要であり、リスクが高くなります。例えば、書店が学習塾を始めるようなケースがこれに当たります。
25日 5031【吉野家の中華圏進出】
牛丼チェーンの吉野家は、1992年に中華圏へ進出しています。中華圏では牛丼は馴染みのない料理でしたが、あえて高級路線を選択し、価格帯や座席などを国内店舗とは異なるスタイルで進出しました。これが功を奏し、2005年に北京で「消費者がもっとも愛するブランド」に選ばれました。
26日 5032【集中型多角化】
「集中型多角化」は、既存の技術やノウハウとの関連性が高い新製品や新サービスを作り、新分野に進出していく多角化です。大きく成長できる可能性もありますが、異なる分野での展開となるため、リスクは大きくなります。カメラメーカーが医療用レンズを開発するなどの事例があります。
27日 5033【富士フイルムのヘルスケア分野への進出】
2000年代にデジタルカメラの普及により、これまで富士フイルムの売上の6?7割を占めていた写真関連事業が大きな打撃を受けます。このとき、写真フィルムの開発・生産で培ってきた技術を応用できる分野を検討し、ヘルスケア分野への多角化戦略を推進しました。
28日 5034【集成型多角化】
「集成型多角化」は、既存の技術やノウハウ、市場ともにまったく関連性のない事業に進出する多角化です。他の3つの多角化よりも相乗効果は低く、リスクは高くなります。ただし、既存事業が衰退した場合のリスクを分散できます。例えば、寝具店が宿泊業に進出するなどがその事例です。
29日 5035【新規事業のフレームワーク】
アンゾフの成長マトリックスは、「どの分野で」「どのような人に」「何を販売していくか」を考える新規事業のフレームワークとして有効です。これまで想像もしていなかった分野への進出や、技術の活用方法などのヒントになります。考える分にはリスクは発生しません。
30日 5036【これしかないと思わない】
今月は新規事業の成功のポイントを解説してきました。既存市場を分析すると、まだ掘り起こされていない潜在顧客や潜在ニーズが発見できます。市場と自社の強みをかけ合わせれば、新たな成長のシナリオを生み出せる可能性があります。これしかないと思わないことが大事です。