ブランディングメール BRANDING MAIL
ブランディングメール 2025年2月
- 1日 4887【変化のスピードが早い時代だからこそ】
- 今日から2月、祝日2日間を含んだ28日間です。変化のスピードが早いいま、顧客の心を動かすには、変化をよく見定める必要があります。従来の方法が通用するという保証はありません。今月は「変化に合わせて『ものさし』を変えよう」をテーマにお届けします。
- 2日 4888【ものさしが変わってきています】
- 「顧客に喜んでいただき、満足度が高めることで、業績が伸びる」という基本は変わりません。しかし、「何に対して喜びを感じるのか」「従来のやり方で満足度は高まるのか」。ここを熟考する必要があります。つまり、喜びや満足度の「ものさし」が変わってきています。
- 3日 4889【あれ、何だか変だな】
- 顧客の心を動かす「ものさし」が変わってきたいま、古いものさしでお客さまに接しても反応は薄いのです。この変化に気づかないと、「何だか変だな」の連続に陥ります。どんな風に変わってきているのでしょうか。自分自身が顧客として、何を求めているかを考えてみてください。
- 4日 4890【変化の背景にあるもの】
- 「ものさし」の変化の背景には何があるのでしょうか。さまざまな要素がありますが、「①社会の価値観の変化」「②顧客ニーズの変化」「③技術革新の加速」「④労働市場の変化」「⑤パンデミックによる影響」「⑥グローバル化の進展と分断」の6つが挙げられます。
- 5日 4891【利便性よりは豊かさ】
- 心を動かす6つの変化について考えます。一つ目は「利便性よりは豊かさ」です。利便性とは「時間や手間を省き、効率的な目的の達成を重視すること」。豊かさとは「心の充足感や価値観への共感を重視すること」です。基本的なニーズが満たされたいまは、後者が強くなっています。
- 6日 4892【代表例はパタゴニア】
- 「利便性よりは豊かさ」の事例です。利便性の時代は、低価格で大量生産された製品(例:ファストファッション)に心が動きました。豊かさの時代は、パタゴニアのような品質や背景にこだわった製品(例:エシカルファッションやサステナブルブランド)が注目を集めています。
- 7日 4893【スロートラベル】
- 「利便性よりは豊かさ」の事例です。利便性の時代は、効率よく観光地を巡るパッケージツアーに心が動かされました。豊かさの時代は、その土地での文化や生活を深く体験できる「スロートラベル」が人気です。農家や地元の人々と触れ合いながら旅する「Airbnb体験」もその一つです。
- 8日 4894【機能よりは情緒】
- 心を動かす変化の二つ目は「機能よりは情緒」です。商品やサービスの実用的な性能や機能だけでなく、そこから得られる感情的な価値や体験が重視されるようになりました。選ばれる理由が「何ができるか」だけでなく、「どのように感じるか」にシフトしているのです。
- 9日 4895【商品がもたらす体験】
- 多くの商品が、高品質かつ標準的な機能を備えるようになり、機能だけでは差別化が難しくなっています。消費者は「商品そのもの」よりも、「商品がもたらす体験」に価値を感じるようになりました。効率や利便性よりも、価値観やライフスタイルに合った商品を選んでいるのです。
- 10日 4896【Apple Watch】
- 「情緒」を重視した事例です。機能性が重視されてきた時計ですが、いまではライフスタイルやブランドストーリーが心を動かす要素になっています。「Apple Watch」の支持は、健康管理などの機能だけでなく、「ウェアラブルデバイスを通じて豊かな生活をデザインする」という価値観にあります。
- 11日 4897【LEGO】
- 「情緒」を重視した事例です。商品が特定の役割を果たすことは、もはや当たり前です。それよりも、消費者自身がその商品を使って独自の体験を創り出せるということが重要になっています。例えば「LEGO」は単なる玩具ではなく、「創造性を刺激し、家族や友人と共有できる楽しさ」を提供しています。
- 12日 4898【効率よりはロマン】
- 心を動かす変化の三つ目は「効率よりはロマン」です。成熟した市場や個人の価値観が多様化した現代においては重要なキーワードです。効率や合理性を超え、「ロマン=夢や感動や共感」を提供することが、顧客や社員の心を動かします。競争優位性を築くために欠かせない要素です。
- 13日 4899【デジタル疲れ】
- 効率よりもロマンが重視される背景には、デジタル疲れや無機質さへの反動があります。テクノロジーが生活を効率化する一方で、心の豊かさや感動を求める人が増加しています。この変化に適応することにより、機能的な利便性を超えた顧客満足が提供でき、長期的な支持が得られます。
- 14日 4900【手書きの価値】
- 「ロマン」を重視した事例です。デジタル入力が当たり前のいま、手書きの価値が高まっています。その代表例が万年筆の人気復活です。例えば「モンブラン」は、歴史や職人の技を強調し、ストーリーがある商品を提供しています。商品の物語性が「所有する喜び」につながっているのです。
- 15日 4901【感動や物語で差別化する】
- 商品やサービスの基本機能が標準化されたいま、差別化の要因は感動や物語です。星野リゾートは単なる宿泊施設ではなく、土地の文化や自然を体験できる滞在型リゾートを提供しています。また、伝統的な美と現代の快適性を融合させた古民家リノベーションが注目されています。
- 16日 4902【今後も成長し、拡大していくという錯覚】
- 今月のテーマは「変化に合わせて『ものさし』を変えよう」です。ものさしの変化に影響を与えていることの一つは、日本の経済成長率です。これからも成長し、拡大していくという考えは、もはや錯覚です。当然、経営の「ものさし」も変えざるを得ません。
- 17日 4903【日本経済は実質ゼロ成長】
- 日本経済は戦後復興と高度経済成長期を経て大きな成長を遂げました。1960年代の終わりには世界第2位の経済大国にまでなりました。しかし、1990年初めのバブル崩壊で1993年度に-0.5%まで減少、2008年にはリーマンショックを契機にマイナス成長に転じ、その後も低成長を続けています。
- 18日 4904【ズレによる混乱】
- 2020年代の日本の経済成長は実質ゼロですが、国はいまだ成長拡大を旗印に、高度成長期を目指すという方策を掲げています。しかし、現実はゼロ成長でとどまっています。このズレが混乱を招き、複雑で不確実な経済が続いています。多くの経営者はこのことに気づいているはずです。
- 19日 4905【利益を最大化する】
- 経済のゼロ成長を前提に、経営のものさしを変える必要があります。売上拡大よりも、顧客の満足度を高め、利益を最大化することが問われているのです。中小企業はものさしの変更はしやすいはずなのですが、いまだ売上拡大を至上主義とする経営者が少なくありません。要検討ですよ。
- 20日 4906【既存のリソースを最大限に活用】
- 経済ゼロ成長の環境下では、急成長や新市場の拡大はそれほど期待できません。まずは、既存のリソースを最大限に活用すること、そしてコスト管理の徹底、業務の効率化、無駄の削減が重要です。ITシステムやデジタル化を進めることも生産性を向上させる有効な手段です。
- 21日 4907【顧客ロイヤルティの向上】
- 経済ゼロ成長の環境下では、商品やサービスの独自性を強化することが重要です。差別化された商品やサービスを提供することで、不毛な競争から脱却し、顧客のロイヤルティを高めることができます。自社のブランド価値の向上も競争優位性を確立するための重要な要素です。
- 22日 4908【既存顧客との関係を強化】
- 経済ゼロ成長の環境下では、新規客の獲得は容易ではありません。新規客よりも、既存顧客との関係を強化し、リピーターやロイヤルカスタマーを育てることが大切です。顧客満足度を向上させるために、アフターサービスの充実や一人ひとりに合わせたサービスを見直しましょう。
- 23日 4909【スタッフの生産性の向上】
- 経済ゼロ成長の環境下では、競争力を維持するためにスタッフの生産性を向上させることが大切です。スタッフのスキルや能力を高めるための教育に力を入れましょう。また、柔軟で多様な働き方も、スタッフの満足度を高め、企業の安定性を確保するために有効です。
- 24日 4910【新たな価値を生み出す】
- 市場が滞っているなかでも、業界や自社の枠を超えた革新により、新たな価値が生み出せる可能性があります。既存の商品やサービスの改良や、異業種とのコラボレーションによる新しいスタイルの構築などが考えられます。既存の常識や基準を超えたものさしが有効に働きます。
- 25日 4911【強みを生かして切り替える】
- いまだに不特定多数を対象とした売上拡大路線のままの、キメの粗い展開が目立ちます。「利益思考」「既存顧客主義」「独自性の重視」「業界の常識外」「社員満足度の向上」への切り替えが早急に必要です。自社の強みを活かし、どの分野から手をつけるかを判断しましょう。
- 26日 4912【事業の複合化】
- 本業へのこだわりは貴重ですが、見込みがあるかないかの判断も大事です。利益に対する伸び代が見出せないならば、本業だけに固執せず、事業の複合化も視野に入れる必要があります。本業との相乗効果を生む可能性がある新事業を検討しましょう。小規模からはじめ、大きく育てましょう。
- 27日 4913【縮小や撤退も大事です】
- 拡大した事業が経営の足枷になっているケースが少なくありません。利益につながらず、赤字状態が続いているのにも安易な期待にしがみつくのは危険です。縮小や撤退は簡単ではありませんが、新たな経営の「ものさし」に照らし合わせて、今後を判断すべきです。
- 28日 4914【ゼロ成長でも選ばれる】
- 経営の「ものさし」は環境とともに変わります。もっというと、変えなくてはなりません。ゼロ成長の時代であっても、利益を出すためには、「何を大事にし、何はやらないのか」をしっかりと見定めることです。これにより競争力を維持し、長期的に安定した経営が可能となります。