ブランディングメール 2024年6月 | 株式会社クエストリー | 小さくても光り輝くブランドになる 

ブランディングメール 2024年6月

1日 4642【対応だけではうまくいかない】
6月に入りました。2024年の折り返しの月です。顧客のニーズに対応するのは経営の原理原則ですが、どうもそれだけではうまくいかないように感じます。クラブ会員からも同様の声が寄せられています。そこで今月のテーマは「顧客がまだ感じていないニーズを創造する」です。
2日 4643【顕在ニーズと潜在ニーズ】
ニーズには顕在化したものと潜在化したものがあります。前者は明確ですから、他社も狙います。獲得競争は価格や量やスピードなどの体力勝負になりがちです。経営資源の限られた中小企業は不利であるのはいうまでもありません。中小企業が狙うのは後者の潜在ニーズです。
3日 4644【顕在ニーズとは何か?】
顕在ニーズとは、顧客自身が欲しいモノやサービスを自覚している状態をいいます。顧客のニーズ全体を氷山に例えるなら、顕在ニーズは水面から外に出ている部分です。明確に可視化されているので、顧客はニーズを満たすことを自覚して行動を起こします。
4日 4645【潜在ニーズとは何か?】
潜在ニーズとは、顧客自身も明確に自覚していないにも関わらず、何かしら欲求がある状態を示しています。氷山に例えると、確かに存在しているのですが、水面下にある部分です。表面上は見えていません。潜在ニーズは顕在ニーズよりもウェイトは大きいといわれます。
5日 4646【未知なるニーズの創造】
潜在ニーズにはいくつかの段階があります。「①提示されればそうだと思える」、「②よくはわからないけれども何となく感じている」、「③消費者自身も未知である」……①②は顕在化しつつあるニーズです。③のニーズは誰もわかっておらず、具体的な提案もないニーズです。
6日 4647【シニア向けのカップヌードル】
1971年に世界初のカップラーメンとして誕生した日清食品のカップヌードル。若年層には人気がありますが、60歳を越えると購入率が低下するのが課題でした。シニア向けにカロリーオフや減塩などの健康志向の商品を開発しましたが、なかなか売れませんでした(明日に続く)。
http://m1-v2.mgzn.jp/sys/rd.php?m=EfmubFzKAQoNixzNoXDE
7日 4648 【カップヌードル リッチ】
シニア向けのカップヌードルの続き。日清食品は健康にも気を遣うが美味しさや質の良さを諦めたくないシニアに着目。開発されたのは、美味しさやプレミア感を追求しつつ健康要素も取り入れた「カップヌードル リッチ」です。200円超えですが、発売7ヵ月で1,400万食を達成しました。
http://m1-v2.mgzn.jp/sys/rd.php?m=8fmubFzKAQoNiy8XoiB8
8日 4649【固定概念を外す】
ニーズの創造を阻害するのは長年定着している固定概念です。「これはこういうものだ」というのは思い込みに過ぎません。ここを外さなければ、新しいニーズは創造できません。
ところが固定概念はなかなか厄介者です。業界事情や商品知識に詳しくない立場の人の発想から学びましょう。
9日 4650【座ってレジ接客】
固定概念を外した事例です。首都圏や北関東で店舗展開をしているスーパーマーケット「ベルク」は、レジに作業用のイスを設置する取り組みを始めました。人材不足が深刻化するなか、シニアや腰痛を抱えた人も働きやすい環境を作るためです。この取り組みは各地で広がっています。
http://m1-v2.mgzn.jp/sys/rd.php?m=wfmubFzKAQoNiy9PThzw
10日 4651【異質なものとの組み合わせ】
新しいニーズのヒントはありきたりでない異質なもの同士の組み合わせにあります。「Apple」の製品の多くがそうであるように、すでに存在している一般的だけれども異質なものの組み合わせからイノベーションは生まれます。そのためには業界の常識を捨てて考えることです。
11日 4652【うんこドリル1000万部突破】
文響社が発売した「うんこドリル」という漢字ドリルが、累計1000万部を突破しました。この10年間の出版業界で異例のヒットとなっています。親は品のないと思っても、子供はうんこが好き。「汚いけど、子供がやる気を出すなら我慢しよう」と親の気持ちを納得させたのです。
http://m1-v2.mgzn.jp/sys/rd.php?m=MfmubFzKAQoNiyaqdWdM
12日 4653【新しいニーズは異業種から学ぶ】
同業の成功事例を追いかけても新しいニーズは見つかりません。異業種の取り組みを研究しましょう。異業種の視点が新しい価値の創造のきっかけとなります。念のために異業種交流会への参加レベルではダメです。現場に足を運んで五感を通してつかみとりましょう。
13日 4654【オフィスグリコ】
異業種を参考にして成功したのが、江崎グリコの「オフィスグリコ」です。契約企業の休憩室などに、引き出しが付いたボックスを貸し出します。ボックスには菓子が詰めてあり、購入者は引き出しの上部の代金箱に代金を投入するのが初期のシステム。参考にしたのは富山の置き薬です。

https://www.glico.com/jp/shopservice/officeglico/

14日 4655【人の行動を観察する】
人の行動には新しいニーズのタネが潜んでいます。あなたの会社や店の商品で、お客さまが不便や不自由と感じていることはないでしょうか?ネットで検索しても答えは見つかりませんよ。それよりも使用している場面や利用状況を観察することです。必ずヒントがあります。
15日 4656【6000万本を突破した豆腐バー】
アサヒコが2020年に発売した「豆腐バー」が累計6000万本を突破。米国視察で木綿よりも硬い豆腐をフライパンで炒めたり、網焼きにしたりして食べているのを知ったのが開発のきっかけです。サラダ感覚で食べられるようにスティック状にしたことで若い人の支持が得られました。
https://www.toffuprotein.asahico.co.jp/high-protein/
16日 4657【アンメットニーズとは何か?】
「アンメットニーズ(Unmet Needs)」という言葉があります。その意味は、人々の欲求やニーズのなかでまだ満たされていないもののことです。人々が抱える問題や要望で、まだ解決されていない課題や未開拓の領域にこそ新しいニーズが眠っています。ここを深掘りしましょう。
17日 4658【行動パターンを観察する】
潜在ニーズは消費者の行動から発見できます。行動から潜在ニーズを見つけるには日常生活の行動パターンを観察することです。どんな場所に行くか、どんな時間の過ごし方をするのか、どのような話をするか……深く考えていない何となくの行動から潜在ニーズが見つけ出せます
18日 4659【ラベルレス】
一箱に2リットルのミネラルウォーターが9本入ったものを定期的に購入しています。飲み終わった後にラベルを剥がして資源ゴミ回収に出すのですが、この作業がちょっとだけ面倒です。ある日、ネットでラベルレスのミネラルウォーターを見つけました。いまではこれを定期購入しています。
19日 4660【小さな文句】
クレームほどおおげさではないけれども、顧客の小さな文句に着目しましょう。心にちょっと引っ掛かったことが「文句」として表れるのですが、これは「顧客の潜在ニーズ」です。
複数の文句を組み合わせ、解決策を見つけることで、顧客の期待を上回る商品が生まれる可能性があります。
20日 4661【矛盾点に着目する】
潜在ニーズの発見には、お客さまの言葉や行動における矛盾点に注目することも有効です。人は自分の考えと言動に一貫性を持たせようとしますが、潜在ニーズと顕在ニーズの食い違いが矛盾点として現れるときがあります。矛盾点を細かく分析することで潜在ニーズが発見できます。
21日 4662【健康と甘いもの】
「健康に気をつけている」といいながら、甘いものを食べている人がいます。その矛盾には潜在ニーズを知るヒントが隠れています。健康に対するストレスから甘いものを食べているのかもしれません。あるいは、気をつけているといいながらも、どこかであきらめているのかもしれません。
22日 4663【なぜで深掘りする】
お客さまの潜在ニーズを見つけるには「なぜ?」という質問を繰り返すことも効果的です。お客さまは言葉や行動に対して「なぜ?」と質問をされることで、自分がなぜそのような言動をしたのかを深く考えます。次第に言葉や行動の背景にある潜在ニーズが浮かび上がってきます。
23日 4664【宅配ボックス】
Amazonが2023年7月に置き配サービスの利用率が約75%に達したと公表しました。宅配ボックスも働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が設けられたことでさらに急増しています。配達側の再配達の減少と発注側の配達時間を気にしなくていいという双方のニーズが一致したのです。
24日 4665【要望や期待に耳を傾ける】
接客の現場は潜在ニーズの宝庫です。とくにお客さまの要望や期待は新たなニーズの発見につながります。接客する現場のスタッフは、お客さまに寄り添いながら、ていねいに要望や期待を集める必要があります。集めたものは記録し、それに対応する仕組みをつくりましょう。
25日 4666【ヒントノート】
東京のかっぱ橋道具街の料理道具店「飯田屋」には、10年以上続く「ヒントノート」があります。このノートにはお客さまからの商品問い合わせがすべて書きこまれています。
お客さま2人から問い合わせを受けた商品は必ず仕入れられ、このノートから多くのヒット商品も生まれてきました。
26日 4667【提案の幅や深さが変わる】
顕在ニーズがわかると、多くの人は現在ある自社の商品やサービスを提案します。気に入ってくれれば売れますが、そうでないと成立しません。しかし、顕在ニーズが発見できると、提案の幅や深さは大きく変わります。潜在ニーズに合わせた商品開発も可能となります。
27日 4668【「ぐっすり眠りたい」の潜在ニーズ 】
「ぐっすり眠りたい」という顕在ニーズを満たすために枕の購入を検討しているお客さまがいたとします。しかし、顕在ニーズの裏には潜在ニーズが隠れています。例えば「疲れをとりたい」という人もいれば、「眠ることでストレスを発散したい」という人もいます。
28日 4669【潜在ニーズに合わせた提案】
「ぐっすり眠りたい」の裏側にある潜在ニーズを満たす商品は、マットレスや枕だけではありません。疲れを取りたいのであればマッサージ機器や入浴時のバスグッズなどを、
ストレス発散が目的であれば、ゲームなどの娯楽や体を動かすフィットネスジムなどの提案も可能です。
29日 4670【ライフスタイルに合わせた提案】
顕在ニーズだけに着目していると、特定のカテゴリーだけを販売する業種発想から抜け出せません。潜在ニーズに着目することでさまざまな提案が可能となります。
言い換えれば、特定商品を販売する仕事から、顧客のライフスタイルに合わせた提案を行う仕事に変わります。
30日 4671【潜在ニーズを発見する感度を高める】
今月は「顧客がまだ感じていないニーズを創造する」をテーマにお届けしてきました。顕在ニーズだけを追いかけていると、必ず同質化競争に陥ります。顧客の声、時代の変化、社会の要望にていねいに耳を傾け、潜在ニーズを発見する感度を会社全体で高めましょう。